海ペディアを運営している西日本ニチモウ株式会社。
全国各所を担当する営業社員が在籍しており、それぞれが漁業者の課題を解決するために日々奔走している。
今回は前回の記事に引き続き、西日本ニチモウの営業が行っている活動について紹介する。
目次
漁具の営業とは
筆者（今井 舟一）は山口県、福岡県、長崎県の営業を担当している。
おもな仕事内容としては定期的にお客様の元へを往訪し、要望への対応やより良い製品の提案を行う。
世間一般の営業とは、足しげく顧客を往訪し、とにかく製品を売込む仕事というイメージがあるだろう。
ときには必要のないものまで売り込むこともあるかもしれないが、漁業現場の営業は決してそうではない。
お客様の操業スタイルを十分に理解し、互いに信頼関係を構築した上で、本当に必要なものを適切なタイミングで提供する。
また、作業効率の向上、操業効率の向上に繋がる製品の提案、他エリアの情報提供など、営業の業務は多岐に渡る。
また私たちが扱う製品は、自社製造の網やロープだけではなく、水産に関わる資材全般に及ぶ。
押し上げ式フィッシュポンプや網さばき機等の油圧機器、シャーベットアイス製氷機、水族館向けの鮮魚など、お客様が必要とするものであればなんでも取り扱う。
営業の魅力
西日本ニチモウの営業の魅力は「お客様のために何でも出来る」ということだと筆者は考える。
幸いにも上司が若手の意見を積極的に取り入れてくれ、新しい取り組みにも挑戦しやすい環境がある。
この海ペディアも当時２０代の社員が中心となり立ち上げた活動だ。
水産現場における様々な問題を直に目にして、解決していけるということも大きな魅力だと感じる。
いまだ日本の水産現場は改善の余地がある点が多く、発展途上だ。
同業他社や全く分野が異なる業種の方々と繋がることで、この問題は十分に解決していける。
少しずつ変わっていく水産業
ロープや網ひとつひとつにしても、現用品よりももっと耐久性が高く、扱いやすい製品がある。
しかしながら、それらをすべてのお客様に届けられていないのが現状だ。
これは今後情報発信や、従来の購買方法とは異なる手法の創出で解決していきたい。
既存の手法が改善されている事例も多々ある。
ワイヤが当たり前だったデレッキ索、まき網の大手綱は高強力繊維ロープに変わっている。
まき網漁業において、従来当たり前に行われていた網での魚の取り上げは、海外を参考に取り入れた押し上げ式フィッシュポンプに変わりつつある。
押し上げ式フィッシュポンプによって作業効率が飛躍的にあがるだけではなく、作業スピードが早くなったことで鮮度が上がり、魚価の向上にもつながっている。
無線でのやり取りが当たり前だった船団内の情報共有は、タブレット（ISANA）を使ったやり取りが行われている。
日本全国で１０００隻以上導入されており、船団内の円滑なコミュニケーションを実現している。
昨今は漁村の人口減少が進み、漁師の人材不足が全国的に深刻化している。
かつては知り合いのつてやハローワークに掲載するだけで人が集まっていたが、現在はインターネットでの採用活動が主流となっている。
とはいえインターネットに不慣れな人も多く、多忙な業務の片手間で採用活動を行うことは非常に難しいだろう。
このような課題を持つ船団は、水産業に特化した採用支援サービスを活用することで、人材の確保に成功している事例が数多くある。
上記の事項は、直近数年で起こった変化だ。
業界には様々な問題があるが、産官学が一体となれば解決できないものはない。
改善を継続していけば、日本の水産業は衰退産業などとは呼ばれず、世界に誇れる成長産業になる。
日本、世界の人々の為ために、美味しい魚を手間暇かけて獲っている「漁師」は日本が誇るべき職業だ。
筆者は今は西日本地区のみの担当だが、今後は全国の漁師さんとともに日本の水産業を発展させていくべく努力していきたい。
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