「フロート」と「浮子」という言葉は、どちらも同じ「うき」を表してます。
浮子を「アバ」と読めた方は、水産業界の中でも漁業関係の方ではないでしょうか?
今回はあらゆる漁業現場で使用されているフロート(浮子)に関する知識をお届けします。
目次
さまざまなフロート
フロート(以下、フロートで統一します)は、水中または水面にモノを浮かせるための道具です。
かつては、コルク、木、竹やガラスが材料として使われておりましたが、現在のフロートはほとんどが合成樹脂の製品となっています。
発泡フロート
樹脂の中に気泡を発生させて多孔質にしたフロートを「発泡フロート」と呼びます。
発砲フロートは魚箱などで使用されるEPS(ポリスチレン)が一般的に知られてますが、EVA(エチレンビニルアセテート)、PVC(塩化ビニル発泡体)もあります。
発泡フロートは大きさに対しての自重が軽いため、高い浮力を有しています。
中でもEPSフロートは、養殖生け簀などでよく使用されています。
黒やオレンジ色のカバーに覆われている大きなフロートを、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
近年では、ポリエチレン製の外装を用い、内部でEPSを発泡させた高耐久性のフロートも利用されてます。
EVA、PVCの発泡フロートは耐久性が高く、おもにまき網、定置で使用されています。
また、使い古した発泡フロートはフェンダーとしても再利用されています。
中にはフェンダー専用の発泡体もあり、発泡倍率をあげてより衝撃を吸収するような柔らかい仕様となっています。
成型フロート
成形フロートとは、耐圧性が高く、衝撃にも強い硬質のフロートです。
おもにABS(アクロニトリルブタジエンスチレン)、PE(ポリエチレン)がといった樹脂が使用されています。
基本的に中は空洞ですが、硬い外装によって耐圧性を持たせています。
また成型品として製造するので、ロープに取り付けやすい耳型がある製品もあります。
他にも水を出し入れする注排水口を設けた浮沈するフロートなど、用途に合わせた便利な形状を生み出せることも特徴のひとつです。
フロートの規格
フロートの規格はおもに「大きさ」、「使用水深」、「浮力」などで表現されます。
基本的にフロートは大きいほど浮力が大きくなりますが、実際の浮力はフロートが持つ浮力から自重を引いた値となります。
浮力の表示は「N」や「kgf」で表示されますが、「kgf」を見るのが最も直感的にわかりやすいでしょう。
沈めるフロートに関しては、使用水深も重要な項目となります。
水深が深くなるとフロートは水圧で割れてしまい、浮力を失ってしまいます。
耐圧性の高いフロートは肉厚になるので、その分自重も重くなります。
フロートで考えること
当たり前ですが、フロートは浮きます。割れても場合によっては浮きます。
人の管理下を離れたフロートが、海岸に流れ着いている状況をよく見かけます。
海外のフロートを見る機会が多いですが、海外には我が国のフロートが流れ着いているかもしれません。
是非ともフロートも適切に使用して頂けるよう、今後も情報を発信させて頂ければと思います。
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