西日本ニチモウでは、漁具の販売以外にも幅広い形で漁業者のサポートを行っています
今回は石川県の19t型まき網船で実施した、油圧機器の整備の事例をご紹介します。
目次
石川県のまき網漁業について
石川県では、底びき網漁業、まき網漁業、定置網漁業が基幹産業となっています。
まき網漁業は大中型まき網船2カ統、中小型まき網船6カ統が操業をしています。
主な漁獲物はブリやアジ、サバ等です。
原則、石川県の中小型まき網船は漁期が4月~12月までとなっています。
しかし今回整備を行った巻き網船が属する石川県富来地区のまき網船は漁期が5月~11月までと短くなっています。
残りの半年は、各乗組員が船主船頭として底びき網やエビかご漁などを行っています。
このような背景から、どちらの漁法にもあまり整備の費用を掛けられず、少々機器が故障しても無理をして操業を行っている状況でした。
漁撈油圧機器の整備(19t巻網本船
同エリアでは、基本的に近隣の鉄工所で油圧機器の修理を行っています。
しかし本格的な整備となると部品等がなく対応できていない場合もありました。
今回は地元では対応できないパースウィンチ換装の相談があり、西日本ニチモウ㈱にて対応することになりました。
機器の整備を行う際には、限られた予算の中で最大限の成果を出すための段取りが必要です。
当初はメインであるウィンチの換装のみを予定していましたが、今後も円滑に操業することを考慮し、既設パースウィンチも問題なく使用できるよう整備を行いました。
また、引き続き使用可能な部品は交換せずに再利用することで、余った予算でネットホーラーなど他の油圧機器も点検・整備まで実施することができました。
油圧メーカーであるマリンハイドロテック株式会社様にご協力いただき、油圧機器及び油圧配管を含めた油圧システム全体を総点検し、整備を行うことで安全、安心に操業出来ることを可能にしました。
実施した整備内容
今回は上述の通り、既設パースウィンチだけではなく、ネットホーラーなど他の油圧機器も点検・整備を行いました。
船首側パースウインチ整備内容
油圧舶用弁、油圧モーター、シフター旋回台整備を実施しました。
船尾側パースウインチ整備内容
油圧舶用弁、油圧モーター、シフター整備を実施しました。
ネットホーラー整備内容
駆動・移動用油圧舶用弁、油圧モーターリリーフ弁新替えを実施しました。
大手巻ウインチ整備内容
油圧モーター整備、ケーシング新替えを実施しました。
整備後の感想
ここからは今回整備を実施した大漁丸の乗組員さんの声をご紹介します。
このような漁業者様の声こそが、私たちにとって大きな活力になっています。
乗組員)これまでは無理をして操業していたため、操業に出るたびに油圧のパンク(油漏れ)が多発してまともな操業ができませんでした。
整備費用は掛かりましたがその苦労から解放されると思うと、今後は安心して操業に専念できます。
乗組員)油圧使用時の騒音もメーカーさんに点検してもらうまで、気にはなっていたがあたり前のように使用をしていました。
配管に振れ防止を取付けたこともあり、以前よりも騒音が軽減されて、人の声が聞こえるようになりました。
これからは操業中のコミュニケーションもとりやすくなったと思います!
最後に
これまでは油圧機器類の調子が悪くても「壊れるまで使用する」、「壊れたら都度整備する」といったことが通例でした。
今回のような総合的な油圧機器の整備や作動油の成分検査を行うことにより、油圧トラブルの少ない安全な操業及び船の延命化に繋がります。
近年機械類の価格が上がり続けている中で、既存の船をいかに長く維持していくかということは今後さらに重要になってくるでしょう。
西日本ニチモウでは、漁業者(漁業会社)、(油圧)メーカー、鉄工所、造船所、回航業者等、各業者とタッグを組んで、今後も多方面から漁業者のサポートを実施してまいります。
このような取り組みに興味のある船主様は、ぜひお気軽にご相談下さい。
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