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魚の価値を高める方法!魚の熟成と処理を解説

近年、「熟成魚」という言葉をきく機会が増えてきた。

これまで魚は獲れてすぐが最も美味しいといわれてきたが、最近ではその考えが変わりつつある。

今回は熟成魚の仕組みと、熟成するために必要な魚の処理について紹介する。

目次

熟成の仕組み

中々お目にかかれない太刀魚の炙り刺し身

魚の身にはうま味成分の元である「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質が含まれている。

ATPは魚の死後に分解が始まり、分解する過程で「IMP(イノシン酸)」という物質に変化する。

このIMPが最も多い段階が一般的に最も美味しいとされる。

IMPが最大となる時期は魚種によって異なり、熟成の期間についても約1週間~1ヵ月とさまざまだそう。

鮮度を保つための魚の処理

大前提として、熟成を行う魚の鮮度はよい状態でなければならない。

ここからは鮮度を保つための魚の処理について紹介する。

脱血

エラ切りによる脱血の様子

脱血とは、文字通り魚の血を抜くことを示す。

生きた魚のエラ周辺の血管を切って流血させる方法が一般的だ。

イシダイの尻尾の断面

さらに高度な脱血処理として、魚の尻尾部分を切断し、中骨周辺の血管に細い管を通し水流を通す方法も実施されている。

この方法であれば、絶命した魚の血も抜くことができるといわれている。

延髄切り

延髄切りの様子

延髄斬りとは、魚の目の横あたりに刃物を突き刺し延髄を破壊する方法だ。

包丁で魚の首の骨を折り、延髄を破壊することで魚を締めることができる。

神経締め

カツオの神経締めの様子

神経締めは鮮度を長く保持する方法として、一般的によく知られている処理方法だ。

この処理を行うことで、延髄破壊後の筋肉の活動を抑制させる効果がある。

魚の眉間部分に穴をあけ、細いワイヤを神経に通し破壊する。

もしくは魚の尻尾を切断し中骨周辺の神経にワイヤを通し神経を破壊する方法が一般的だ。

延髄を破壊した魚でも、神経が残されていることで筋肉が活動を続けてしまう。

熟成前の細かい処理

熟成魚を美味しく仕上げるためには、台所での細かい処理も重要となる。

以下の一連の作業を行うことで、魚の腐敗に繋がる要因を除去していこう。

魚のぬめりを取り、ヒレを切り落とす

魚の体表面のぬめり、ヒレのぬめりには腐敗に繋がる細菌が多いといわれている。

その為、熟成を行う場合はぬめりをキッチンペーパー等でふき取り、ヒレは切り落とすことが望ましい。

内臓及び中骨周辺の血合い(腎臓)の除去、掃除

腹側から見た魚の中骨部分

腐敗が進みやすい内臓や血の塊は、極力残さず取り出さなくてはいけない。

内臓を一通り取り出したら、腹膜を切ることで露出する中骨周辺の血合(腎臓)を除去する。

包丁の刃先でもある程度は除去できるが、歯ブラシのような細いブラシを用いると除去しやすい。

保存方法

ペーパーにつつまれたイシダイ

一連の処理を行った魚は熟成の過程で身から水分がでるので、キッチンペーパーで体表面を包み、吸水具合を見ながら交換することが望ましい。体表面だけでなく、腹にもキッチンペーパーを詰めたほうがよい。

また、過度の乾燥を防ぎ空気と遮断するためラップで全体を覆って欲しい。保存温度については諸説あるが1度以上~3度以下が望ましいとされている。魚が凍らないギリギリの低温を保つことがよいとされている。

保存期間

7日間熟成させたイシダイ

熟成期間については、前述の通り約1週間~1ヵ月とさまざまである。

長期熟成は卓越した技術を持つプロが行うもので、初心者は数日が望ましい。

数日であっても魚の味の変化は十分に楽しめるし、数日程度でも保蔵期間が伸びることで食卓での活用の幅も広がるだろう。

魚の食味

絶命後すぐの魚は弾力があり、食べたときの触感はいいが味は薄く身に香りもない。

一方熟成させた魚は触感が少し柔らかくなるが、食べた際に感じる旨味が強く、独特の香りも楽しめる。

熟成には一定の技術が必要であり、魚の腐敗のリスクもあるが、技術が普及すれば魚の見方を大きく変える武器になる。

個人的なおススメはマダイ、イシダイ等の白身魚だ。

読者の皆さまも、新鮮な魚が手に入った際に挑戦してみてほしい。

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