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「ロープ」ができるまでの工程を紹介!人の手が欠かせないその奥深さとは

ロープは漁業のあらゆる場所で使用されており、漁業の現場に欠かせない道具です。

今回はそんなロープが一本の糸から現場で使用されるまでの工程を見ていただきたいと思います。

目次

  1. ロープができるまでの工程
  2. ロープはオーダーメイド品
  3. 理論と感覚の融合
  4. ロープ作りは奥が深い

ロープができるまでの工程

ロープ作り ロープの構造

ロープは「ストランド」、「ヤーン」、「合糸」とよばれる部材から構成されています。

それぞれは一本の糸(原糸)から次の1〜5の工程を経てできあがります。

  1. 合糸を製作する(原子と原糸を撚り合わせる)
  2. ヤーンを製作する(合糸と合糸を撚り合わせる)
  3. ストランドを製作する(ヤーンとヤーンを撚り合わせる)
  4. ロープを製作する(ストランドとストランドを撚り合わせる)
  5. 熱処理

合糸

合糸とは、ロープの最小単位となる原糸を数本撚り合わせた部材です。

1種類の原糸数本、または2種類の原糸を合わせて撚りを入れます。

また合糸には右撚りと左撚りがあります。

ひとつの機械で100本以上の合糸を製作しており、用意する原糸の本数はその何倍にもなります。

例えば50mmのPEロープであれば1000本以上の原糸が使用されて、ひとつのロープが出来上がります。

ヤーン

ロープ作り 切り替え中

ボビンに満貫になったので切り替え作業中

続いては、ヤーンとよばれる部材を製作します。

先程の工程で生産した合糸を数本撚り合わせます。

こちらも右撚り、左撚りがあります。

ロープの太さによってヤーンの太さも変えています。

細いロープ向けには使用する合糸の本数を少なくし、太いロープ向けには本数が多くなります。

ストランド

太いロープだと必要ヤーン本数も多くなります。

太さに合わせたヤーンを使用し、ロープの前段階である「ストランド」を製作します。

基本的にはロープの撚りと反対方向に撚りを入れて、撚りのバランスを取っています。

3つ打ちロープであればストランドを3本、8つ打ち(クロス)ロープであればストランドを8本用意します。

8つ打ちはストランド8本のうち、4本が左撚り残り4本が右撚りとなっており、組紐のような構造です。

ヤーン本数、構成を考えてテンションを調整しています。

ストランドの工程では、ヤーンの構成を決定します。

ここでストランドを何層のヤーンで構成するか、ヤーンを何本入れるかを計算し、ハチの巣(写真の糸を通す部分)に通して配列を整えます。

側と中のヤーンの本数が1本増減するだけでストランドの出来栄えは異なります。

また、ヤーンをどう配列するか、テンションのかけ方によって出来上がりがかわってきます。

日夜研究、改善を重ねながら最適な配列、テンション等を検討しています。

ストランドの太さやテンションが変わることで、ロープの仕上がりにも大きく影響します。

ロープ

ロープの形状で3つ打ち、8つ打ち(クロス)というのはストランドの本数を表しています。

3つ打ちではストランド3本、8つ打ちではストランド8本が必要です。

それぞれのストランドの本数が揃ったら、それを撚り合わせていきます。

これにてようやく皆さんが手にするロープの形になります。

ロープの製造工程自体は写真のようなPEロープ40㎜であれば約半日で生産可能ですが、合糸段階から製作するとなると多くの時間を必要とします。

熱処理

ロープは繊維であるため、気温や湿度によって長さが変化します。

特に網漁具に使用するロープは伸び縮みが激しいと縮結が狂ってしまうため、できる限り寸法変化しないようにする必要があります。

そこで、製作したロープを蒸気や熱湯で満たした槽に通す「熱処理」という工程を経て、ロープの寸法に安定性を持たせます。

この工程は夏場は暑く冬は暖かいかと思いきや、冬は窓を空けなければ写真のように蒸気で何も見えなくなるため、窓全開で行います。

ロープはオーダーメイド品

ロープ製作工程の中で見た目、硬さ、性能が変わる項目があります。

素材

ロープは基本的な材料だけでも7種類あります。

素材の組み合わせを考えると種類は20種類程度、ヤーンの段階では太さも各5種類、さらに左右の撚りがあります。

撚り(より)

ロープは各工程で撚り合わせています。

撚りの方向(右(S)、左(Z))、回数によって柔軟性や耐摩耗性が大きく変わります。

これらの項目を漁師さんの用途や要望に応じて調整していきます。

一度で要望にお応えできることもあれば何度か改良を重ねていくものもあり、多くの製品がオーダーメイドで、使用する場所や使用方法が限られます。

特に駆け廻し漁業に使用されるロープは、各漁師さんの知識、経験、技術から1mあたりのロープ重量を数グラム単位で調整して使用される場合もあります。

理論と感覚の融合

素材の組み合わせや直径が変わることで必要な原糸の本数は変わりますが、その際は原糸の太さと本数、比重を考慮して必要なヤーン本数を計算します。

しかし、原糸というのは常に同じ太さではなく、さらに温度や湿度によって伸び縮みが発生し、計算とずれてしまうことがあります。

そこに、作業者の手の感覚を加える事で品質を保つ努力をしております。

ロープ作りは奥が深い

今回ご説明したように、ロープ作りはさまざまな工程を経ています。

私たちは漁師さんの使い方、求める耐久性に応じて素材、撚り方を変えることで希望のロープを生み出しています。

こんなロープが欲しい、もう少し硬い、柔らかいものがいい、少し重くしたいなども大歓迎です。

お気軽にコメントやLINEなどでのご意見、要望お待ちしています。

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