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水深150mの海底調査が可能!網の状態を可視化する「ROV」とは

養殖網や定置網では、漁具をアンカーロープや側張りなどで固定しています。

それらの状態を確認するときは、船からの目視に加え、ダイバーが潜って水中の網の状況を確認する必要があります。

水深が浅ければダイバーによる確認も可能ですが、潜水時間や水深の制限があるうえ、深ければ危険を伴うため調査が困難なことも少なくありません。

そこで今回は、ニチモウグループが実施している「遠隔操作型無人潜水機(以下ROV)」を利用した網・アンカーロープの調査についてご紹介します。

目次

  1. 養殖網、定置網の調査方法
  2. 遠隔操作型無人潜水機「ROV」とは
  3. 調査実績

養殖網・定置網の調査方法

養殖のサルコ台部分 海上からだとアンカーロープは確認できない

養殖網、定置網の固定は、方塊と呼ばれるコンクリートの塊やサンドバッグを、それらに固縛されているロープと連結することで実施します。

水深は10m程度の小規模から、100mを超える場合もあります。

養殖漁場図(左)とアンカーロープ(右)

 

一度設置した網やロープは常に海水中にあるため、付着物やスレの状態を簡単に確認することはできません。

特に方塊と結束しているロープは深い海底にあり、重い方塊を一緒に引き上げることが難しいので、最も確認しにくい部分です。

網部は比較的浅い水深への設置となりますが、面積が広いので、調査には時間がかかり、ダイバーの潜水時間が延びると負担も大きくなります。

ROVを使用することで、このように潜水では難しい状況下の調査を実施できるようになりました。

遠隔操作型無人潜水機「ROV」とは

ROV本体

ROVとは、前述の通り「遠隔操作型無人潜水機」のことです。

本体はカメラがついた大型のラジコンのような潜水艇となっており、海中の映像を船上でリアルタイムに確認することができます。

ROV本体とモニターはケーブルで繋がっており、専用のモニターを用いてリアルタイムに確認できます。

最大で水深150mまで調査が可能であり、条件次第で1日あたり20本近く調査することが可能です。

船上ではケーブルをコントロールすることが難しく、操作に馴れるまでは時間を要します。

しかしそれ以上に大変なことは、揺れる船上で、別の動きをするROVのモニターを注視し、リモコンで操舵すること。

初めての人は高い確率で船酔いし、ほぼ、嘔吐します。。。

調査実績

ここからは調査内容の一部をご覧いただきます。

上の画像では、方塊(吊り筋) とアンカーロープの結束部分の繊維が切れて垂れ下がっているのが確認できます。

ロープの結束部分は最も擦れが発生しやすい箇所です。

海底に沈んでいたロープと籠

こちらの調査では、養殖場の海底に沈んでいたロープと籠が発見されました。

流された漁具などがアンカーロープなどに絡みつくとスレが発生し、最悪の場合切断に至ります。

最後に

今回はROVの調査事例をご覧いただきました。

主な用途は養殖網、定置網ですがその他ご要望があればお気軽にお問い合わせください。

このような調査を行うことで、設置頂いた漁具を適切な状態で末永く使用して頂けるように提案を行っています。

※本機器は北海道ニチモウ株式会社が所有しており、本記事についてご協力、ご指導いただいております。この場を借りて御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

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